昭和四十一年七月二十五日 夜
ミツ先生が、ね、私共が京子様と申し上げた先生です。
お国替えになられます、ちょっと前に足を痛められましてね、そしてあの病院に入院された、その入院された何日かの後でした、はっきり、あの初代の桂先生がお姿を、お夢ん中に現されましてね、枕元にあの、枕上に立つという事でしょうね、普通の言葉でいうなら、立たれてから、あの、みつって云うて起こされたそうです。
奥さんの名を呼んで そしてね、思わず いらん事をするもんじゃから、こういうところにお前が来るもんじゃから、お前の一生の御粗末御無礼は、俺が金光大神に、天地の親神様に、七重の膝を八重に折ってでも詫びてやろうと思ったのにと云うてからお叱りあったそうです。
その病院にいかれた こられたという事をらしいんですよねえ、お前の長年の事は只、こゝんところにあの思いますのは、お国替えという事、例えば早死にをするとか、一年長生きをするとか早死にをするとかと言った様な事は、あんまり問題じゃない様ですね、神ながらに神様のお許しを頂いてから、お国替えのおかげを頂くのであれば、それは早いとか遅い 若死にとか、その何という様な事は、あんまり問題じゃない様に思う。
問題はあちらでおかげの頂けれる御霊、あちらでおかげの頂けれる為の信心というのが、なされとかなければならん、というて、いわば私共の場合ですね、もう何処をどうと、こう取り得の無い信心さして頂いておるですから、その何処を神様お取り立てて下さる事も、出来ないでしょうけれどもです、お互い信心さして頂くものはせめてこれだけは、というものがなからにゃいけんね、せめてこれだけは これだけはと、こういうものがね、それが私はそれこそ、時計の針の間違いのない様にです、キチッとこうでけていくという事、先程 今日夕方から熊本のカツミ先生が見えられて、色々、そこでお話させて頂く中にです、その事について私、色々お話さして頂いたんです。
信心の節度ということについて、これだけは これだけは、私が何十年間、例えばやり抜かせて頂いておると 例えばいった様な、しかもその事がです、言わば神様の心にかなうもの、お喜びの頂けれるもの、それがなされていくのでなからなければ、勿論いけませんですね、ね、これこの事ならば神様は喜んで下さる、それが例えば一事でもそれを、ね、節度をもってそれを守り抜かせて頂くという、例えばあの桂先生の御流儀がそうだったですから ね、もし奥さんもやっぱり御流儀を受けておられた、ね、さあ どうかあるかという、すぐ医者だ薬だといった様な風には、なさっていられなかった、もうそれこそ御神米と御神酒さんで、おかげ受けてこられたそれがもう本当に、お国替えのちょっと前んなってですね、それをその節度を、いわば破られたわけなんです。
お前がこんな所へくるもんだから ね、金光大神と天地金乃神様へ、それこそ一生の間にお前がどのくらいの、御粗末御無礼があるやら分らんけれども、その事は、この事だけででもですね、七重が八重「 」におってでも、お願いをさして頂こうと思っておったのにと、こう、お叱りになられた。
即刻退院された、それから、もう幾日後に、お国替えのおかげを頂いておられます。ね、ですから、又、その言わばお言葉に素直に動かれた。 みつ先生の事をそれこそ、七重の膝を八重に折ってでも、お詫びをなさった事であろう。
御霊の世界でのおかげを、受けられる様になられた事であろう。と これは思いますけれども、その中からですね、そういう厳しいものを感じるじゃないですか ね、お互いがどうでしょうか、なる程信心さして頂きよります、毎日お参りもさしてもらいよります、信心の事もあれこれ段々分かって参りました。
けれども何とはなし そりゃ漠然とこれを、んならこれ これならば神様が喜んで下さると、いった様なものを、自分の心ん中に頂き決めて、しかもそれを、んなら 行じ抜かせて頂いておるといった様な事はない、これなら神様も喜んで下さるんだと ね、そこの所をです、私はお互い、銘々に持たなければ、信心に筋金が入らんと思う。 そりゃ人間の事ですから、何処に御粗末、御無礼があるやら分かりません。
けれども神様に喜んで頂ける、これだけはやりぬかせて頂いた
そこのところを めで賜う、そこのところをお喜び下さって、例えばお詫びすればかなうという おかげにもなってくる、くる様に思うのですよ、長年信心さして頂くと、どれっというて神に喜んで頂く、何一つの事もでけていない、といった様な事ではですね、折角の信心になる程、あの節度のついたおかげを頂くという意味合いにおいても、それでは、おかげも漠然となります。
ですけん、そこんところを一つ、やり抜かして頂くという信心
あんなお話がありますね、石川五右衛門が亡くなった、そしてその冥途の帰りですね、えんま様のもとへ行かなければならん、たくさんな亡くなった、いわゆる亡者達が、それぞれの自分の現世においての、良いもの悪いものを持って、えんま様の前へ出るわけなんです。ところが石川五衛門の前を通る一人のお婆さんがです、もうそれこそ、いかにも重そうに、沢山の南無阿弥陀仏を、その袋いっぱいに入れて。まあ閻魔さまの方へ向うて行かれるわけ、なんと見ると自分は小さい念仏のひとつ持って行きよるだけ、俺もこげな事じゃ極楽行きは難しかと、あの婆さんば いっちょ騙くらかしてからあの婆さんの念仏といっちょう取り替えようと、こう思ったわけなんですね、そこでその、婆さん婆さん あんたそれ、えらい重そうだから、私が重かつばいっちょ持ちなさい、私がそれ あんたの持って行ってやろう、ちてからその持って行ってやったと
そしてえんま様の前で、これが私の念仏でございます、と云うようにしてその出したと、ね、ところがえんま様が仰ったんですね、石川五右衛門が持っておる、その持っておった沢山の袋に入っておる念仏はね、こら、しいら念仏じゃから、これは地獄行きだと云うてその云われた。
さあしもたと思たと思うたけれど、もう仕方がない、やつぱ死んでからも泥棒の癖があったと見えるわけなんですね、いかに泥棒であってもです、もう泥棒しておるその事はです、まあ悪い事に違いはないけれども、天地の親神様の目から御覧になれば、それ程でもなかったかも知れん、けれどもそこに真実があった、眞があった、それはたった一つであるけれども、本当の南無阿弥陀仏を持っておった、そのお婆さんはたったひとつの ひとつの念仏であったけれどもそりゃ美のある念仏であつたから、この婆は極楽行きじゃと云う事になったという、まあ言わば説教話なんですけど、その中から今日私が云おうとする事がです、そん中にございます様に気が致しますですね、はあ―ん 金光様はもう一生何十年間を信心さしち、何十年間お日参りさして頂いた。
ね、金光様金光様 そ―な唱えよるばってん、それが、しいら金光様じゃったね、これならば神様が喜んで下さると ね、これは自分の信心の節度にさしてもらわんならんと、これが自分の信心の筋金だと、これは誰が何と云うても、どういう言い訳の出来る様な場合であっても、例えて云うならばです、私の母が もうやんがて八十、そでもやっぱり朝の四時過ぎに起きてから、この広いところ
そのね、雑巾掛けをしてまわる、晝は何も出来ない程に、言わばよぼよぼしておりますけれども、これだけは私の手足の適う限りは、さしてもらわんならん、これも誰が云う 何と云うてもやり抜かせてい頂いておる、ね、だから私もそりゃ止めません。
いわば母の信心の節度なのだから、それはしかも、それは神様の喜んで頂く事に間違いないことを、私は確信するからね、例えば私共、何も出来ませんけれども、朝の御祈念なら朝の御祈念にです、それこそ一秒間だって私は切らない、これだけは私は、まあ心の中に決めさして頂いておる。
これは私共夫婦が、そこのところを思わして頂いておるという様にですね、これだけはというものをですね、私共の心の中に私は、それが信心の筋金になるよう名信心をなさなければならん、なるほど他んところは、あれも神様がお目出度いことであっとる、あるいは神様が歯痒い思いなさる事であろう、けれどもその事だけにです例えば金光大神七重の膝を八重に折って頂いて、天地の親神様にお詫びをして頂く、桂大先生に、んなら私共の御粗末御無礼はです、お詫びをして下さいと云うてもです、何も印もなしに詫びて下さいと云うたって駄目なんです。
詫びるからにはです、例えばこの氏子は、本当にお粗末で御無礼な男でございましたけれども、生前 例えて云うならばこれだけは守り抜きました氏子でございますと、それに免じてどうぞお許し下さいます様に、という事になれば、そこから神様は、神様はとにかく助けたいばっかりに、御一念に燃えておられる方なんだからねえ有名なあの芥川ひろしですか、―のあの何ですか蜘蛛、蜘蛛の糸ていうものが、あれがありますでしょうが、あゝいう例えば寛大のような大悪人であってもです、何か一つだけでも、神様の心に適う様な事をしておったから、それを それででも助けてやりたいといわれるのが、天地の親神様の願いなのだもの
いかに天地の親神様だってです、助けるにゃ何処に何か引っ掛けがなからなければ、助け上げる事は出来んのです、ですからここのところはです、私共がです、只 漠然と信心致しております、なる程その漠然とした信心によってです、日々の現世においての、おかげは頂いておりましてもです、それがあの世に持って行けれる、いわば生きた念仏にはならない。
それではね、これだけは私のもの、これだけは私が何十年間やり抜かせて頂いたと いったようなもの、しかもそれは神様の心に適う、喜んで頂けれると、こう確信さして頂く、その事をです、私は行じ抜かして頂く信心がですね、日々の信心と同時に必要じゃないかと、こう思うですね。 どうぞ。